トレッキング覚悟で行け!チームラボの御船山楽園「かみさまがすまう森」は自然とアートの美しいコラボ

トレッキング覚悟で行け!チームラボの御船山楽園「かみさまがすまう森」は自然とアートの美しいコラボ

アート集団「teamLab★(チームラボ)」が毎年夏から秋にかけて行う佐賀県の武雄温泉「御船山楽園」の大自然を舞台にしたデジタルアート展「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」。

CNNの「行くべき世界の屋外アート展 2021」にも選ばれた自然とテクノロジー、光と闇、歴史と未来が一体となった「Digitized Nature(自然が自然のままアートになる)」プロジェクトです。

2015年に武雄温泉楼門100周年を記念して始まり、世界でも注目されるこのイベント!

今年で開催7年目を迎え、子どもから大人まで楽しめるとあってとても人気ですが、ひたすらに山を登ることになるとは思いもしませんでした。

ボルボ チームラボ かみさまがすまう森
  • 〒843-0022
  • 佐賀県武雄市武雄町大字武雄4100
  • 開催時期:2021.7.16~11.07
  • 開催時間:17:00~22:30(時期により19:00~22:30)
  • 料金:入園料:大人1200円~1400円、中高生800円、小学生600円、未就学児無料
  • 駐車場:150台
  • TEL:0954-23-3131(御船山楽園ホテル)
  • URL:https://www.teamlab.art/jp/e/mifuneyamarakuen/

御船山楽園ってどんなとこ?

300万年前、有明海から隆起して生まれたという御船山は1845年に開園した50万平米にも及ぶ敷地に創られた大庭園。

敷地の境界線上には日本有数といわれる樹齢3000年以上の神木、庭園の中心には樹齢300年の大楠がある佐賀県武雄市の国登録記念物に指定される名勝地です。

長い時間の中で形成された巨石や洞窟、超自然的に積み重なった巨石の磐座(いわくら)や、後に奈良の大仏をつくる名僧行基が約1300年前に御船山に入山し五百羅漢を彫ったとされる仏が残っています。

御船山楽園内には「御船山楽園ホテル」、「御宿 竹林亭」があり、御船山楽園ホテルのロビーはデジタルアート展の一部「ランプの作品」となっています。

かみさまがすまう森へ行ってみた

この「ボルボ チームラボ かみさまがすまう森」の開催期間は7月から11月までのおよそ4ヶ月弱です。

来場する時期は夏場よりも10月~11月がおすすめ!なぜかというと、御船山楽園はかなり広いため、かなり歩き回ることになり夏場は夜でも汗だくになります。

とくに子ども連れなら疲れた子どもを抱っこして歩くことになる可能性も高く、スニーカーは必須!運動しやすい恰好でいくことをおすすめします。

かみさまがすまう森へ行ってみた

第一入門口から入るとチームラボの大きな看板があり、御船山楽園と「長い時間の連続性の上にある生命」を表現することの思いが刻まれている。

入ってさそく、上るか下るかの坂道

入ってさそく、上るか下るかの坂道。

坂道を下っていくとすぐに庭園中心にある樹齢300年の大楠が迎えてくれる。

庭園中心にある樹齢300年の大楠

大楠の後ろには御船山がそびえ立ち、その断崖下にはつつじ谷が広がり、半球型のつつじが音色を響かせながら光り輝いています。

御船山楽園内には他にも樹齢170年の大もみじ、樹齢170年の大藤などの古木、平戸つつじの群生地など自然にあふれています。

森の中に配置されたライトはさまざまな光の色に変化し、通る人々を楽しませてくれます。

森の中に配置された赤いライト

漆黒の闇の中、真っ赤な真っ赤に照らされた森。

森の中に配置された緑のライト

徐々に光の色は変化し、普段よりさらに緑に照らされている。

足元は明るく照らされてはいますが、坂道にくわえ足場の悪い階段が続き、歩き始めてすでに汗ばんでいます。

森の中に配置された紫のライト

さらに光の色は変化し、紫へ。

ほかにも青色や白色とライトは変化していきます。

廃墟の湯屋でグラフィティネイチャーとメガリスを

チームラボといえば「グラフィティネイチャー」ですよね。

グラフィティ (graffiti) は壁などに描かれた図像のこと、ネイチャー (nature) は自然、また本性といった意味を持ちます。

チームラボといえば「グラフィティネイチャー」

さまざまな生きもの、その生態系を投影して創られる世界には自分の描いた生き物が自由に動きまわります。

ここ、かみさまがすまう森でもレッドリスト(Led List)に基づく絶滅危惧種の生物、植物の世界を廃墟につくりだしています。

レッドリスト(Led List)に基づく絶滅危惧種の生物、植物の世界を廃墟につくりだす

用意されたイモリやカエルなどの生物や花などの植物の塗り絵は10枚!

好きな塗り絵を選んで色を塗っていきます。

歩き疲れた子どもなんかはここで元気を取り戻すことが多いので、一番最初にここにきてしまうとその後、子どもが疲れてしまっても気を引く場所は少ないのでここぞという時に行きましょう!

塗り終わった塗り絵をチームラボのスタッフに渡すと専用の機械で読み取って投影してくれます。

スタッフに渡すと専用の機械で読み取って投影してくれる

チームラボのグラフィティネイチャーはただ投影されるだけじゃなく、平面の絵は立体になって動きます。

生物は生きているように動き、花はまわりながら散っていきます。

チームラボのグラフィティネイチャーは平面の絵は立体になって動く

壁に映し出された絵に触れたり、地面に映し出された絵を踏むと絵がはじけ、子どもだけでなく大人も楽しめる場所で、大人も子どももとにかく動きまわっています。

グラフィティネイチャーが映し出された湯屋とは別の湯屋にはメガリス(Megalith)が群立しています。

メガリス(Megalith)が群立

メガリスとはストーンヘンジのような建造物に近い形態のものを指し、巨石記念物の意味を持ちます。

コンピュータプログラムによって無数の水の粒子が連続体で表現され、近づくと水の流れが変化!近くまで行くとかなり大きく、巨石というのもわかります。

廃墟から続く長い地下道には永遠に憑依する炎など、他にも見どころはたくさん!

森の道を抜け五百羅漢へ向か道は軽い登山。

五百羅漢へ向か道は軽い登山

ここまで来るにも坂道や階段でかなりの運動量ですが、ヒールで来ようものなら途中でリタイアすることになるかも。

さらに進むと御船山の岸壁に掘られた五百羅漢が見えてきます。

御船山の岸壁に掘られた五百羅漢

暗闇に照らされて洞窟には地三仏体とたくさんの地蔵が奉納されています。

これまでのデジタルアートと違って光で描かれた書体の黒は光がないことを意味しているとか。

五百羅漢のまわりは磐座らしく、断崖とまではいかないまでも足場はいいと言えず、さらに進むと急な下り階段を下りていくと御船山楽園ホテルが見えてきます。

御船山楽園ホテルのロビーにはランダムに配置されたように見えるランプの作品が展示。

ランプシェードはムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)で制作され、大きさは人の顔ほどもあります。

ムラーノ・ガラス(ベネチアン・グラス)で制作されたランプシェード

ロビーの一面に配置されたランプが明かりのように全体が真っ赤に照らされていますが、時間の経過とともに青、白、黄色へと変わっていきます。

ロビーにはかみさまがすまう森を見にきた人でにぎわっていますが、宿泊者以外の人は専用階段から先へ入れないようになっているので安心ですね。

御船山に鎮座する岩に憑依する滝

御船山楽園の中心から登ってつつじ谷を登っていくと高さ約3m、幅約4.5mの巨石が鎮座。

この巨石の形に仮想の三次元立体映像を再現しています。

そこに水を落下させ、水の動きをシュミーションした滝を演出、平面化した滝なのに立体的に見えるが凄い!

巨石に仮想の三次元立体映像を再現

ここまで歩きまわって大体2時間ぐらいが経過。

大人だけならもっと早くまわれたであろう道も子どもがいたり、運動に不向きな恰好ならそれぐらいの時間はかかると思っておいてください。

まとめ

限られた時期に自然とテクノロジー、光と闇、歴史と未来が一体となったチームラボとのコラボレーション。

御船山楽園ならではの自然を生かした幻想的な作品は圧巻ですが、ちょっと見に行こうかと軽い気持ちでいくとかなり疲れてしまい、全ての作品を見るのは厳しいかもしれません。

土日や連休は人も多いので注意!混雑時は入場規制の場合もありますので、早めに行くか宿泊してゆっくり散歩しながら見ることをおすすめします。