三菱ケミカルから2022年7月に発売された超精密軽量シャフトブランド「VANQUISH」。
2023年10月にはFW、Hybrid、Ironの専用モデルも追加!
表記はヴァンキッシュだったりバンキッシュだったりしますが、プロも使える硬軽系シャフトとして発売前から注目されていたんだとか。
ですがゴルフ5、ヴィクトリアゴルフ、つるやゴルフ、二木ゴルフといったショップでもヴァンキッシュの試打シャフトは置いていない。
仕方なくシャフトデータだけを見て購入することにしましが、これが当たりシャフトでした!
VANQUISHってどんなシャフト?
ヴァンキッシュは40~50グラム台軽量シャフトの新ブランド。
高弾性カーボンを使用し、強度を落とさずに軽量化したシャフトで、フレックスは40グラム台、50グラム台ともにR2、R、SR、S、X、TXの6フレックスが用意されています。
軽量でヘッドスピードが上がるかもしれませんが、ヴァンキッシュは飛距離追求型のシャフトではないとのこと。
先中調子で方向性の良さを兼ね備え、重量誤差±1g、振動数誤差±1cpmに抑えた超精密設計!
VANQUISHのカタログスペック
シャフト | フレックス | 重量 | トルク | キックポイント | 長さ | チップ径 | バット |
---|---|---|---|---|---|---|---|
4 | R2 | 47.3 | 5.4 | 先中調子 | 1,168 | 8.6 | 15.00 |
R | 48.3 | ||||||
SR | 49.3 | 5.3 | |||||
S | 49.3 | ||||||
X | 51.8 | 5.2 | |||||
TX | 55.3 | ||||||
5 | R2 | 52.8 | 4.2 | ||||
R | 55.3 | ||||||
SR | 55.3 | ||||||
S | 56.8 | ||||||
X | 58.8 | 4.1 | |||||
TX | 59.8 | 4.0 |
正直、プロでもアマでもなければシャフトスペックで参考になるのはフレックスと重量ぐらい。
キックポイントやトルク、バランスもきちんと理解している人は少ないはず。
ましてや同じSフレックスでもメーカーによって硬さが違うと言われたらどうしようもありません。
そこで参考にしたのが振動数。
固さを数値化したものですが、これも長さや測り方で変わると言われてしましますが、ほかに比べようがないから仕方ない。
これまで使っていたシャフトがフジクラシャフトの「SPEEDER NX GREEN」、現在使用中のシャフトが同じくフジクラシャフトの「VENTUS TR RED」、どちらも5Sです。
この2本のシャフトとヴァンキッシュを比べてみました。
シャフト | フレックス | 重量 | 振動数 | トルク | キックポイント |
---|---|---|---|---|---|
SPEEDER NX GREEN | 5S | 57.5 | 252 | 4.9 | 中調子 |
VENTUS TR RED | 5S | 59.5 | 264 | 3.3 | 先中調子 |
VANQUISH | 5S | 56.8 | 245 | 5.4 | 先中調子 |
振動数は数値は、数値が大きいほど硬く、小さいほど柔らかいことを意味します。
トルクはシャフトシャフトがどれだけねじれやすいかを表す数値で、数字が大きいほどシャフトがねじれやすく、小さいほどねじれにくくなります。
細かいことは置いておいて、トルクが大きいとフェースローテーションしやすくなるのでつかまりやすく、トルクが小さいと逆に引っかけにくくなります。
軽くて軟らかいシャフトは必然的にトルクが大きくなり、重くて硬いシャフトはトルクが小さくなるとされています。
これを見る限り、女子プロに人気で注目を集めたシャフトSPEEDER NX GREENと比べても軽くて柔らかいスペックのようです。
VANQUISHのシャフトを使ってみた!
カタログスペックはあくまでもカタログ上の数値なわけで、実際に使ってみると合わないということはよくあります。
今回、ヴァンキッシュのドライバーシャフトと一緒にUT用のシャフトも購入してみました。
シャフトデザインは、青いVANQUISHの文字がホログラム調でデザインされていてシンプルながらかっこいい。
反対側にも色が抜かれたVANQUISHの文字がデザインされ、両面にVANQUISHの文字があります。
黒がベースで、シャフト中央からヘッド先端にかけてマットになっているので大体のヘッドに合うようになっています。
次に、G430ハイブリッドのシャフト!
G430ハイブリッドのカーボンシャフトはFUJIKURA SPEEDER NX、ALTA J CB BLACK、PING TOUR 2.0 CHROMEの3種類。
ヴァンキッシュのハイブリッド用シャフトは50g台と60g台のみでドライバー同様軽硬シャフト!
純正シャフトで近いのはALTA J CB BLACKですが、純正シャフトとVANQUISH Hybrid専用モデルの振動数は今のところどこにも公表されていないようです。
VANQUISH Hybridのカタログスペック
シャフト | フレックス | 重量 | トルク | キックポイント |
---|---|---|---|---|
FUJIKURA SPEEDER NX 35 | - | 37 | 4.5 | 先調子 |
FUJIKURA SPEEDER NX 45 | - | 41 | 3.9 | 先中調子 |
ALTA J CB BLACK | S | 65 | 2.3 | 中調子 |
PING TOUR 2.0 CHROME 85 | S | 80 | 2.3 | 中元調子 |
VANQUISH Hybrid 5 / 350TIP | ◆◆ | 53.8 | 5.0 | 中調子 |
VANQUISH Hybrid 5 / 370TIP | ◆◆ | 55.7 | 4.8 | 中調子 |
VANQUISH Hybrid 6 / 350TIP | ◆◆ | 65.3 | 3.7 | 中調子 |
VANQUISH Hybrid 6 / 370TIP | ◆◆ | 67.7 | 3.7 | 中調子 |
ドライバー用シャフトのフレックスはR2、R、SR、S、X、TXですが、FW、Hybrid、Iron用モデルのフレックスは◆、◆◆、◆◆◆の3種類!
◆がR2~R相当、◆◆がSR~S相当、◆◆◆がX~TX相当となっています。
純正シャフトのフレックスSと比べると、ALTA J CB BLACKとVANQUISH Hybrid 6のスペックが近いですね!
トルクは2.3に比べて3.7と高めで、つかまりがいいということになりますね。
ただ、ユーティリティでスライスになることってあまりないような。
そういった場合、VANQUISH Hybrid専用モデルじゃなく、VANQUISH Iron専用モデルをユーティリティに装着することもありです!
VANQUISH Ironのカタログスペック
シャフト | 番手 | フレックス | 重量 | トルク | キックポイント |
---|---|---|---|---|---|
VANQUISH Iron 5 | #3 | ◆◆ | 52.6 | 4.1 | 中調子 |
#4 | ◆◆ | 53.4 | 4.1 | 中調子 | |
#5 | ◆◆ | 53.7 | 4.1 | 中調子 | |
#6 | ◆◆ | 54.3 | 4.1 | 中調子 | |
#7 | ◆◆ | 55.3 | 4.1 | 中調子 | |
#8 | ◆◆ | 55.7 | 4.1 | 中調子 | |
#9 | ◆◆ | 57.9 | 4.1 | 中調子 | |
#P | ◆◆ | 58.5 | 4.1 | 中調子 | |
VANQUISH Iron 6 | #3 | ◆◆ | 64.1 | 3.1 | 中調子 |
#4 | ◆◆ | 65.1 | 3.1 | 中調子 | |
#5 | ◆◆ | 65.6 | 3.1 | 中調子 | |
#6 | ◆◆ | 67.7 | 3.1 | 中調子 | |
#7 | ◆◆ | 68.3 | 3.1 | 中調子 | |
#8 | ◆◆ | 68.9 | 3.1 | 中調子 | |
#9 | ◆◆ | 70.3 | 3.1 | 中調子 | |
#P | ◆◆ | 71.4 | 3.1 | 中調子 |
実はVANQUISH HybridとVANQUISH Ironのスペックはそれほど変わりはありません。
むしろ、アイアンにヴァンキッシュを差す場合、同じシャフトの流れを組めるのもいいところです。
VANQUISH Hybridに比べてVANQUISH Ironの方が価格も安いので、今回、G430ハイブリッド4U、5UにはVANQUISH Iron 6の#4と#5のシャフトを装着しました!
Hybrid専用モデルとIron専用モデルはドライバー用とデザインは同じですが、青いVANQUISHの文字が白になっていて、シャフト中央からヘッド先端にかけてマット仕上げ。
構えた感じ!
シンプルなデザインなので邪魔にならず、G430 MAXのヘッドが黒なので一体感があります。
打ってみると多少はしなるものの、弾く感じで思ったより硬め!
感覚的には棒で叩いているよう。
4Xや5Xが人気のようですが、Xフレックスだと数値以上に硬いような気がします。
同じ50g台でもSPEEDER NX GREENやVENTUS TR REDよりは軽いので振りやすい気がします。
飛距離優先ではないとしていましたが、軽い分ヘッドスピードが速くなったようで、飛距離も落ちてない!
今使っているシャフトがハードで、軽くしたいけど硬さも欲しいという人にはおすすめです。
次に、G430ハイブリッドに差したVANQUISH Ironシャフト!
ドライバー同様、構えた感じはG430ハイブリッドのヘッドと一体感があって、デザインが邪魔になることはありません。
打ってみると、硬いの軽く触れるのでビシッっと飛んでいく感じがあります。
しっかりと計測したわけではありませんが、打球も高く、いつもより20~30ヤードは間違いなく飛んでいる!
VANQUISH Hybridのシャフトは試してませんが、VANQUISH Ironはスリーブ付で#3~#Pから購入することができます。
スペックもHybrid用とIron用で大きな差がないので、ユーティリティでスライスするならVANQUISH Hybrid、つかまり系のヘッドならVANQUISH Ironがいいかもしれませんね。
まとめ
試打シャフトでもなかなか見かけることがないヴァンキッシュでしたが、使ってみたらこれがなかなか。
しっかりつかまってくれるし、軽硬シャフトなのでヘッドスピードも上がって飛距離も出るのに今までより安定した弾道に!
軽く感じるのはVENTUS TR REDを使っていたからかもしれませんが。
弾くようなイメージですが、ガチガチではないのである程度タイミングは取れそう。
軽めのシャフトでシャープに振っていきたい人にはかなりおすすめのシャフトだと思います。