マンション相場が高騰するなか、新築分譲マンションの供給戸数も増加してきた福岡県。
国土交通省の「建築着工統計調査」では、リーマンショックが起きた2008年の新築分譲マンションは8,762戸でしたが翌年の2009年には4,186戸に減少。
さらに2010年には3,521戸まで減少しました。
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | |
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分譲マンション | 8,784戸 | 4,194戸 | 3,521戸 | 5,685戸 | 4,855戸 | 6,516戸 | 4,615戸 | 6,119戸 | 4,212戸 | 4,522戸 | 5,814戸 | 5,172戸 |
戸建 | 2,090戸 | 1,726戸 | 2,359戸 | 2,928戸 | 3,217戸 | 3,815戸 | 3,572戸 | 3,450戸 | 3,824戸 | 4,371戸 | 4,592戸 | 5,538戸 |
合計 | 10,874戸 | 5,920戸 | 5,880戸 | 8,613戸 | 8,072戸 | 10,331戸 | 8,187戸 | 9,569戸 | 8,036戸 | 8,893戸 | 10,406戸 | 10,710戸 |
その後は供給戸数も増えてきてはいましたが、新型コロナウイルスの影響で一時的に減少。
それでも、これまでなかったタワーマンションや大規模マンションの建設ラッシュで、高度成長期ほどとはいかないまでも新築分譲マンションの供給戸数は増加傾向にありました。
ストック戸数も増え続ける供給過多
福岡市の人口は2009年の138万5,365人でしたが2020年には151万4,880人。
なんと、11年で12万9,515人も増加しています。
2021年には160万人を突破し、福岡市が公表した将来人口推計によると2035年頃ピークを迎えると言われています。
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
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0 ~19歳 | 259,118人 | 260,198人 | 262,114人 | 264,683人 | 266,846人 | 269,261人 | 270,217人 | 272,068人 | 273,264人 | 274,486人 | 274,626人 | 274,683人 |
20~39歳 | 438,790人 | 433,805人 | 428,029人 | 424,647人 | 419,631人 | 413,638人 | 407,762人 | 403,556人 | 399,575人 | 396,170人 | 393,364人 | 391,340人 |
40~59歳 | 366,568人 | 366,641人 | 368,772人 | 374,002人 | 380,767人 | 387,918人 | 396,013人 | 403,557人 | 410,707人 | 418,403人 | 424,603人 | 431,264人 |
60歳~ | 320,889人 | 336,039人 | 348,149人 | 358,998人 | 368,325人 | 377,133人 | 384,684人 | 392,458人 | 399,511人 | 405,091人 | 411,611人 | 417,593人 |
合計 | 1,385,365人 | 1,396,683人 | 1,407,064人 | 1,422,330人 | 1,435,569人 | 1,447,950人 | 1,458,676人 | 1,471,639人 | 1,483,057人 | 1,494,150人 | 1,504,204人 | 1,514,880人 |
それでも新築分譲マンションはストック戸数(中古物件)とともに増加。
これまでに建てられた分譲マンションは立地がよかったのですが、土地は有限。
これから建てられる新築分譲マンションは埋立地や建替などがない限り、好立地物件はないのが現状なんです。
言ったもん勝ち?おとり広告やマンション名の不思議
分譲マンションを販売するデベロッパーがつけるマンションの名前は、どこにその物件があるのか聞いただけでわかるようなものが一般的。
ですが、土地が少ない日本ではそんなに簡単に好立地が見つかるわけもなく、有名な知名や通りか離れた場所でもその名前はつけることがしばしば見られます。
その中でもJR九州が展開するブランド「MJR」もそう。
最。という大きな文字とともに「生まれるのは最も大きなミライ」という文字。
九州最大級全532邸の大規模レジデンスとされる「MJR千早532レジデンス」、これを見れば九州で最大のマンションと思うかもしれません。
実は、九州最大戸数を誇るのは総戸数587の「モントーレ香椎浜サーフタワーセンターコート」、千早532レジデンスからわずか1.2kmしか離れていません。
このモントーレシリーズは福岡県の不動産デベロッパー「西武ハウス株式会社」が手掛けるマンション。
- 西武ハウス株式会社
- 住所:〒810-0072 福岡県福岡市中央区長浜3-16-6
- TEL:092-718-0075
- FAX:092-718-0079
- 創業1983年8月
- 設立1985年7月
- URL:https://seibuhouse.co.jp/
ちなみに、2021年度の売上高は150億円という地場でも大手のデベロッパー。
本当の九州最大マンションとわずか目と鼻の先で建設するMJR千早532レジデンス、「最大」ではなく「最大級」は、最大「級」であって最大とは言ってないと言われればそれまでかもしれません。
ですか、小さな文字で「「九州最大級」とは、新築分譲マンションの販売戸数として2000年以降に九州で販売されたものの中で過去2番目の供給戸数であることを指します。」とさりげない説明文があるだけです。
もともとは「ヤマダデンキ 家電住まいる館YAMADA福岡香椎店」があった場所。
その跡地で建設されるMJR千早532レジデンスはまだ工事が始まったばかりです。
新築マンションは博多駅?完成予想図が見当たらない
同じくJR九州が結婚式場Ritz5(リッツファイブ)の跡地で手掛ける「MJR博多 ザ・レジデンス」。
博多駅からほど近い距離であることが最大魅力なのでしょう。
物件の特設サイトを開くと現地にある広告同様、「Hakata UrbanLiving構想」の文字とともにCG加工された博多駅が全面に!
ですが、MJR博多 ザ・レジデンスの完成予想図はありません。
近隣の人や福岡県内の人ならば博多駅だとわかるかもしれません。
ですが、県外から引越しや投資目的などでこのサイトを見た人は博多駅のようなマンションなのかと勘違いする可能性もあります。
それほど博多駅やその周辺にある商業施設の説明ばかり。
物件エントリーすればさらに限定サイトに誘導され、そこではデザインが見れるのかもしれませんが、そこにいくまでには個人情報を入力しないといけません。
実際、物件建設地から博多駅までは徒歩で13分の距離なので、近いと言えば近く、遠いといえば遠いという中途半端な距離のような気がします。
MJR博多 ザ・レジデンスの建設地を左に見た通り沿いにはめぼしい商業施設はなく、博多駅もこの先まで進んで右に曲がらないとたどり着かない立地です。
これは言ったもん勝ち、やったもん勝ちで騙される方が悪いと言っているようにも見えますね。
ここまでやらないと売れないマンション事情
一部では供給過多となっているほど建設ラッシュが続いた新築分譲マンション。
新型コロナウイルスの影響で計画の白紙や工事の延長もありましたが、増え続けるのは新築マンションだけじゃなく中古マンションも同じ。
リフォームやリノベーションブーム、ウクライナ情勢による資材高騰もあって中古市場が盛り上がりをみせているのも原因の1つかもしれませんね。