太宰府天満宮の奥に佇むパワースポット!炭坑王が筑前三美人のひとりに残したお石トンネルに残る逸話

太宰府天満宮の奥に佇むパワースポット!炭坑王が筑前三美人のひとりに残したお石トンネルに残る逸話

宝満山の麓にある太宰府天満宮は菅原道真公(菅公)を祭神として祀る全国天満宮の総本社。

延喜(えんぎ)5年8月に菅原道真公の御墓所の上に祀廟として天原山廟院安楽寺が創建され、正暦(しょうりゃく)元年には天皇・皇族をまつる神社の社号である「天満宮」を併用することになったとされています。

重要文化財として指定されていますが、翰苑巻第卅(書跡)は国宝に指定されている全国でも屈指の神社です。

そんな有名な太宰府天満宮ですが、その境内奥にひっそりと佇むパワースポット「お石トンネル」があるのをご存じですか?

太宰府天満宮にあるお石茶屋

太宰府天満宮本殿の裏で昔ながらの風情を残し営業する「お石茶屋」。

お石茶屋は明治32年(1899年)生まれの女店主、筑前三美人のひとりと言われる「お石さん」こと「江崎イシ」に由来したものでした。

竃門神社近くに自宅があったお石さんは、毎日山を遠回りして茶屋に通っていたそう。

そんなお石さんが遠回りせずに自宅から直接茶屋に通えるようにと筑豊の炭坑王「麻生太吉」が私財を投じて作ったのがこの宝満宮参拝隧道、通称お石トンネルと言われています。

太宰府天満宮本殿の横を通り、裏に回ってお石茶屋を目指します。

太宰府天満宮境内案内にもお石茶屋はありますが、その先にはトンネルとだけ書かれた場所が。

太宰府天満宮境内案内にあるトンネル

トンネルの方へ進むとお石茶屋が見えてきました。

お石さんは76歳の独身で他界しましたが、明治32年生らしく、お石茶屋も長い歴史があります。

現在はお石さんの姪の娘さんが店主をされいるそうです。

太宰府天満宮のお石茶屋

お石茶屋
  • 住所:〒818-0117 福岡県太宰府市宰府4-7-43
  • TEL:092-922-4045
  • 営業時間:10:30~16:30
  • 定休日:不定
  • 駐車場:有

今回はお石茶屋でなく、お石トンネルです!

お石さんとお石トンネル

茶屋を通りすぎると赤い鳥居が見えてきますが、鳥居の先に進んではいけません。

その鳥居の横に細い道が続いていて、その先に小さく見えるのがお石トンネルなんです。

赤い鳥居横にある細い道の先にお石トンネル

鳥居に目がいってしまうと見落としてしいそうな脇道。

太宰府天満宮が建てられた後、お石茶屋に通うためにこのトンネルがつくられたのがわかりますね。

鳥居に目がいってしまうと見落としてしいそうな脇道の先にあるお石トンネル

今でも地元の人が使っているので、道はしっかりと整備されています。

遠くからでもわかる赤レンガでつくられた立派なトンネル!幅は人がすれ違えるくらいです。

トンネルへと近づいてみると、お石トンネルではなく「宝満宮参拝隊道」と書かれていますが、正確には「参拝隧道(さんぱいずいどう)」となっています。

宝満山参拝隧道

このお石トンネルは麻生太吉がお石さんのために昭和3年11月に寄進したもので、受貢者は「古賀朝幸」という方です。

受貢者とはつまり請負者のことで、麻生太吉が発注したトンネル工事を古賀朝幸が受注したということでしょう。

福岡市中央区草香江に本社を置く株式会社古賀組の2代目が古賀朝幸という方で、なんと創業132年!

株式会社古賀組
  • 〒810-0045
  • 福岡県福岡市中央区草香江2-6-17
  • 設立:1890年1月
  • 資本金:4,000万円
  • 代表取締役:古賀 佐三
  • URL:https://www.kogagumi.co.jp/

時代背景としては一致する年代ですね。

お石トンネルは麻生太吉がお石さんのために昭和3年11月に寄進

上部がアーチ状で下部が垂直になっているのは手作業で掘った証なのだそうで、赤レンガをしっかりと積み上げてつくったお石トンネルは堅牢です。

トンネルの中は灯がないので暗く、外よりもひんやり。

トンネルの中は灯がないので暗く、外よりもひんやり

お石トンネルを抜けた先、宝満山方面に約2km進んだ場所には鬼滅の刃の聖地として話題の古社「宝満宮竈門神社」があります。

竈門神社の近くに住んでいたお石さんは太宰府天満宮側じゃなく、外からくるので実際は出口側が本当の入口になるのでしょうか。

お石トンネル抜けた先が実際は本当の入口

出口側には灯篭もあるので、お石さんが外から歩いてきてもわかるようにしていたんでしょうね。

ロマンチックな伝説のパワースポット

宝満宮参拝隊道と書かれたお石トンネル、実はこの宝満宮とは、竈門神社のことをいいます。

1人で歩くには広く、3人でで歩くには狭すぎる。

2人で歩くとちょうどいい幅のトンネル、それがお石トンネル。

生前のお石さんは麻生太吉とのロマンスを頑強に否定していたというエピソードもあります。

しかし、晩年では「ずいぶん昔から麻生さんとのことをいろいろ言われてきましたが、麻生太吉さんは敬神の心の篤いお方でしたから、竈門神社への近道としてトンネルを寄進されたのです。若いころはむきになって否定してきましたけれど、伝説にも超越した心境とでも言いましょうかね」と残しています。

ロマンチックな伝説が残るお石トンネルですが、今でも竈門神社の参拝道として多くの人から愛され、大切にされています。

鬼滅の刃の聖地として話題の古社 宝満宮竈門神社に行ったら今がベストだった
https://asobitoshigoto.com/life/homan-kamado/