海に浮かんだ城「唐津城」は東西に伸びる日本三大松原の虹の松原や玄界灘の島々が一望できる景勝地

海に浮かんだ城「唐津城」は東西に伸びる日本三大松原の虹の松原や玄界灘の島々が一望できる景勝地

佐賀県は唐津市のシンボルともいえる唐津城。

海に面した小高い丘にあり、東西に伸びる松原が両翼を広げた鶴のように見えることから別名「舞鶴城」とも呼ばれ、桜や藤の名所でもあります。

豊臣秀吉の家臣「寺沢志摩守広高」が慶長7年(1602年)から7年の歳月をかけて築城したと伝えられています。

唐津城は満島山(みつしまやま)とよばれる陸続きの島にあり、三方を海と川に囲まれたこの満島山を本丸としていました。

明治4年(1871)年に廃藩置県によって廃城となり、その本丸跡は現在の舞鶴公園となりました。

玄界灘を望む唐津市のシンボル

佐賀県の北西に位置する唐津市、その北側に唐津湾に面した場所に唐津城があります。

陸続きの島は海に囲まれた特徴的な地形。

丘の上に見える唐津城は遠くからでも存在感があります。

丘の上に見える唐津城は遠くからでも存在感があります

唐津城
  • 住所:〒847-0016 佐賀県唐津市東城内8-1
  • TEL:0955-72-5697
  • 営業時間:9:00~17:00(入館は16:40まで)
  • 天守閣観覧料:15歳以上500円、小・中学生250円
  • 休館日:12月29日~31日
  • 駐車場:有
  • URL:http://karatsu-bunka.or.jp/shiro.html

唐津城専用駐車場は道路を挟んで離れていますが、唐津城に続く唐津城地下道があります。

ここを通って直接唐津城へ行くことができます。

唐津城に続く唐津城地下道

唐津城の麓につくと道が二手に分かれ、右は石段を歩いて天守閣へ上る道。

左はエレベーターを利用して舞鶴公園広場まで一気に上ることができます。

唐津城の麓右は石段を歩いて天守閣へ上る道、左はエレベーターで一気に上ることができる

なんとこのエレベーターは上下じゃなく、斜めに動くめずらしい斜行エレベーター!

麓から舞鶴公園広場までは高低差が34mあるので、足腰が悪い人や車椅子の人でも安心して上れます。

石段を上っていくと最初に見えるのが唐津城の石垣!

石段を上っていくと最初に見えるのが唐津城の石垣!

現在、本丸東側の石垣の下に軟弱地盤が見つかり修復事業中ですが、ここの石垣も隙間が大きくあいています。

小さな石を隙間にねじ込んだようになっていて、大丈夫なのか気になるほどですね。

唐津城の石垣は隙間が大きくあいて小さな石を隙間にねじ込んだようになっている

唐津城の麓から入口の門を抜けて上る石段は231段。

やや幅の狭い、緑に覆われた石段の上には中段広場として整備されている二の曲輪に出ます。

そこでは唐津市の天然記念物「舞鶴公園のフジ」が迎えてくれます。

唐津市の天然記念物「舞鶴公園のフジ」

舞鶴公園のフジ
  • 指定区分:市指定天然記念物
  • 指定年月日:昭和47年9月1日
  • 根廻り:約8m
  • 花色:紫
  • 花序:長さ1.5m
  • 樹齢:140年を超える
  • 花数:5万を超える

佐賀の名木・古木として登録され、樹齢は140年。

開花時期は過ぎていたので藤の花は見れませんでしたが、来年の開花にそなえ新緑が芽吹いていました。

鶴の頭に見立てた天守閣

再び石段が続き、本丸櫓門をくぐっていざ本丸へ!

本丸前広場から見上げた唐津城は、規模は小さいながらもしっかりとした存在感で、別名「白鷺城(しらさぎじょう・はくろじょう)」とも言われる「姫路城」のような白さ。

規模は小さいながらもしっかりとした存在感の唐津城

本丸まで上がってきたら、いよいよ天守の中へ。

入口は向かって右側から、大きな黒い門を抜けると中は石に囲まれているからかひんやりと涼しい。

本丸まで上がってきたら、いよいよ唐津城の天守へ

階段を上るのに使えるよう竹の杖が置いてあります。

できれば唐津城の麓に置いてほしかったですね。

階段を上るのに使えるよう竹の杖が置いてあります

1階フロアは観光案内や体験、売店などがあるフロア。

券売機で入場券を購入!入場ゲートはRQコードで自動化されていて、歴史と進化を感じますね。

唐津城の入場ゲートはRQコードで自動化されていて、歴史と進化を感じます

2階と3階は藩制時代を物語る貴重な資料や武具、唐津焼の資料、考古資料などが展示されている歴史と唐津焼フロアですが撮影はNG!

公開されている展示品にはそれぞれQRコードが貼り付けられています。

それを専用の唐津城公式アプリを使って、展示品の解説をしてもらえますので、子どもでも退屈せずに楽しみながら学ぶことができます。

4階の休憩スペースを抜けるといよいよ天守閣です。

4階の休憩スペースを抜けるといよいよ唐津城の天守閣

虹の松原や玄界灘の大パノラマ

実は唐津城には代々天守が築かれた記録がありません。

これはあくまで観光のために築かれた想像上の模擬天守で、展望台となっている5階の天守閣からは玄界灘や松浦潟、虹の松原など抜群の大パノラマが広がります。

唐津の観光地「鏡山」、そして静岡県の「三保の松原」、福井県の「気比の松原」と共に「日本三大松原」と称される「虹の松原」が見える東側の風景。

唐津城天守閣から見える東側の風景

唐津城のすぐ真下に広がる西の浜、フェリーターミナルや大島が見える西側の風景。

唐津城天守閣から見える西側の風景

旧唐津銀行や唐津市役所など、唐津市街地とそこを流れる町田川が一望できる南側の風景。

唐津城天守閣から見える西側の南景

そして玄海灘と唐津湾、そして宝当神社がある高島が正面に見える北側の風景。

唐津城天守閣から見える西側の北景

まわりに高い建物がなく、海に囲まれているのでどの方角を見ても澄んだ青い景色が広がっています。

遠くの風景だけでなく、すぐ足元には桜や藤、ツツジ、紅葉など四季折々に染まる本丸広場も魅力的です。

明るい時間は風景を楽しむことができますが、夜間はライトアップされているので、外から見る唐津城も幻想的でおすすめです。

帰りには1階フロアで御朱印を購入することができます。

唐津城の御朱印

御朱印帳がなくてもしっかりとした紙に書かれた御朱印を封筒に入れて渡してくれるので、後から御朱印帳に貼りつけることができますね。

また石段を下りていくのもいいですが、せっかくなので舞鶴公園広場から斜行エレベーターで降りることに。

有料ですが料金は1名片道100円、子どもは50円。

斜めに動くエレベーターは不思議な感覚

斜めに動くエレベーターは不思議な感覚で、動き始めはガクっとなりますがスピードは遅めなので安全です。

麓から唐津城までの石段、唐津市天然記念物の藤や貴重な資料や武具、そして天守閣から見える360°の大パノラマは絶景!

満開の桜や藤が映える春、新緑が芽吹く夏、そして紅葉が色づく秋から冬。

いつ来ても美しい天守閣の姿を眺めることができるので、桜や藤、紅葉などの見ごろをチェックして出かけてみましょう。