第6波でピークとなった新型コロナ感染者数は?第1波~第6波で各都道府県の最多人数を調べてみた

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」(B.1.1.529系統の変異株)の出現により第6波となった2022年。

これまでにない感染爆発となり、各都道府県でも過去最多を更新し続けてきました。

2022年1月22日では東京都で初の1万人を超え、2022年2月2日にはついに2万人を超えました。

専門家のピークは早くても2月初旬とされる中、予測通り2月初旬から中旬にかけてピークアウトに向かい始めました。

第1波 初の緊急事態宣言(2020年3月~2020年5月ごろ)

国内で初の感染者が確認され、全国の新規陽性者が初めて100人を超えた第1波。

初の死者が出たことで新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく「緊急事態宣言」が初めて発出されました。

政府による最低7割の接触削減、都道府県知事から飲食店やスポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種に休業要請が出され、大規模なイベントの中止や延期も余儀なくされました。

この頃から経団連会長は「ワクチン開発も急ぐ必要ある」と発言していました。

また、コメディアンとして親しまれた志村けんさんが新型コロナウイルスへの感染を公表、29日に亡くなったことで社会に大きな衝撃を与え、新型コロナウイルスの怖さを認識するようになりました。

第2波 飲食店への時短要請(2020年7月~2020年9月ごろ)

新型コロナウイルスに感染して死亡した人が世界60万人を超えた中、国内では1日の感染者が795人の過去最多となった第2波。

「Go Toトラベル」が始まり、新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が日本感染症学会で「今後の推移に注意が必要だが、全国的にはだいたいピークに達したとみられる」と述べた。

第2波では緊急事態宣言の発出はなく、感染が広がった各自治体で酒類を提供する飲食店やカラオケ店への営業時間の短縮のほか、知事らが「帰省は控えて」と呼びかけました。

感染者数は8月上旬から中旬をピークに減少傾向となりましたが、第1波のほど下がり切らず、9月に入っても下げ止まり状態。

そのような中、世界の製薬会社など9社が新型コロナワクチン開発で安全最優先を宣言しました。

第3波 2回目の緊急事態宣言(2020年11月~2021年3月ごろ)

11月上旬から再び全国で増加し始めた感染者は全国で初めて2000人を超え、第2波を上回り過去最多となりました。

アメリカでは12月14日からファイザーの新型コロナウイルスワクチン接種が始まり、2021年6月末までに希望するアメリカ国民全員にワクチンの接種ができるようにするという目標を明らか。

国内ではファイザーのワクチンが2021年12月18日に厚生労働省に初の承認申請を行い、ワクチン使用に向けて専用の冷蔵庫やドライアイス、低温での輸送などの体制を整備。

日本医師会の中川会長が 「Go Toトラベル」が感染に間違いなく十分に関与していると発言し、感染拡大地域への移動の自粛を呼びかけました。

「GoToトラベル」も12月28日に全国で停止することになり、12月31日には全国で4533人、東京都でも1353人といずれも最多を更新。

クリスマスや忘年会、新年会といった年末年始の恒例行事や帰省などにより感染者数は増加傾向で2021年1月7日に1都3県を対象とした2度目の緊急事態宣言を発出、2月10日には10都府県まで拡大し、収束の兆しも見えないままとなりました。

第4波 まん延防止等重点措置の適初用とアルファ株(2021年3月~6月ごろ)

3月下旬から感染者が急激に増え始めた第4波では大阪府や兵庫県で感染の再拡大により、4月3日には大阪府での新規感染者数が666人の過去最多となりました。

緊急事態宣言が出されていなくても集中的な対策を可能にする新しいコロナ対策「まん延防止等重点措置」の適用を全国の都道府県で初めて国に要請。

大阪府、兵庫県、宮城県の3府県に初めて適用することとなりました。

関西で急激に広がった大きな要因は、英国で見つかった従来型よりも感染力が強いとされる変異ウイルス(アルファ株)。

自民党の二階幹事長は、東京オリンピック・パラリンピックについて「感染症をまん延させたら、何のためのオリンピックか分からない」と述べ、中止することも選択肢として考えざるをえないという認識を示しました。

それでもまん延防止等重点措置では感染拡大に歯止めはかからず、大阪府では新規陽性者が初めて1000人を超えると、その後も1000人を超す日が続き、ついには東京都、大阪府、兵庫県、京都府に3回目の緊急事態宣言を決定しました。

第5波 4回目の緊急事態宣言とデルタ株(2021年7月~9月ごろ)

アルファ株以上に感染力が強いとされるインド由来のデルタ株により、新規陽性者はじわじわと増加。

東京オリンピックの開幕まで2週間とせまっていたこともあり、政府は2021年7月12日から東京都に4回目となる緊急事態宣言を発出しました。

オリンピック期間がまるまる緊急事態宣言下という異例の開催となる中、東京の感染は収まるどころか急激に悪化していきました。

デルタ株に感染している患者の入院患者の8割はワクチン接種が済んでいない50代以下が多くを占め、現場の医師は医療のひっ迫に危機感を募らせていました。

2021年9月2日にはWHO(世界保健機関)が「注目すべき変異株」に指定した変異ウイルスのミュー株、2021年9月10日には同様のイータ株の感染者が国内で初めて判明。

注目すべき変異株には、南米を中心に感染が広がっているラムダ株や、南米やヨーロッパで報告されているミュー株、インドで見つかったカッパ株など合わせて5種類が指定され、厚生労働省が監視を続けています。

第6波 1日の感染者数が初の10万人超え(2022年1月~現在)

新型コロナウイルスで亡くなった人が世界全体で500万人を超える中、2回目のワクチン接種も進んだ東京都では2021年11月1日の新規感染確認が1年5か月ぶりに1桁となりました。

しかし、ドイツ、ヨーロッパ、韓国などで感染が再び拡大。

WHOは新変異ウイルスのオミクロン株が懸念される変異株に指定、世界各地で渡航制限が始まりました。

日本国内でも南アフリカで確認された新型コロナの新たな変異ウイルスの感染が広がりを見せていることを受け、岸田総理大臣は11月30日午前0時からビジネス目的などの外国人の新規入国を原則停止することを明らかにしました。

水際対策を強化しましたが、2021年11月30日にはアフリカ南部のナミビアから入国した30代の男性がオミクロン株に感染していることが確認。

12月1日にはペルーから入国した20代男性が国内2人目のオミクロン株に感染していることが判明しました。

米製薬大手メルクが、日本国内で新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」の使用を認めるよう厚生労働省に承認を申請しました。

オミクロン株はデルタ株より重症化しないが感染力が強いとされ、いまだかつてないスピードで感染が急拡大するとアメリカでは1日の感染者100万人を超えました。

ついには日本国内でもオミクロン株が猛威をふるい、感染者数は全国各地で連日過去最多を更新。

2022年1月22日には東京都で初の1万人超え、2月2日には2万1576人確認したと発表、2万人を超えるのは初めてで、2月5日には国内新規感染者が初めて10万人超す事態となりました。

第1波~第6波での各都道府県の最多人数

これは新型コロナウイルスによる第1波~第6波にかけて新規感染者数が最多となった人数を数えてみました。

どの都道府県も第1波に比べて第6波での感染者数が大幅に増えているのがわかります。

表はスクロールすることができます。

都道府県 第1波(2020年3月~2020年5月ごろ) 第2波(2020年7月~2020年9月ごろ) 第3波(2020年11月~2021年3月ごろ) 第4波(2021年3月~2021年6月ごろ) 第5波(2021年7月~2021年9月ごろ) 第6波(2022年1月~現在)
北海道 45 25 304 727 595 4,097
青森県 5 1 81 66 139 588
岩手県 0 6 43 36 63 277
宮城県 10 18 87 200 301 933
秋田県 2 14 12 25 50 266
山形県 6 1 49 32 69 350
福島県 9 10 46 93 211 604
茨城県 18 17 159 87 391 1,703
栃木県 6 21 150 52 273 1,105
群馬県 35 27 100 113 367 1,192
埼玉県 61 84 582 290 2,169 7,353
千葉県 62 76 506 180 1,777 6,604
東京都 206 472 2,520 1,126 5,908 2,1576
神奈川県 76 136 984 339 2,878 9,097
新潟県 6 8 33 55 159 627
富山県 19 11 32 63 147 571
石川県 20 27 30 101 119 713
福井県 12 16 25 38 56 325
山梨県 5 10 36 47 103 439
長野県 7 19 79 62 158 690
岐阜県 11 30 105 155 384 1,234
静岡県 8 30 127 121 675 2,066
愛知県 21 199 431 679 2,346 6,661
三重県 6 25 54 72 515 1,013
滋賀県 12 31 57 73 234 1,389
京都府 18 41 154 174 601 2,996
大阪府 92 255 654 1,260 3,004 15,618
兵庫県 42 62 324 629 1,088 6,566
奈良県 8 37 56 125 223 1,595
和歌山県 5 13 24 55 90 597
鳥取県 2 8 20 16 47 194
島根県 5 92 10 20 45 190
岡山県 2 10 111 189 307 1,458
広島県 26 19 141 236 381 1,599
山口県 4 15 88 66 119 445
徳島県 2 11 35 60 64 330
香川県 11 10 37 78 111 495
愛媛県 17 5 59 53 102 367
高知県 10 14 36 38 111 310
福岡県 43 169 411 634 1253 5601
佐賀県 9 12 35 75 182 568
長崎県 3 23 60 65 114 703
熊本県 3 42 101 124 317 1275
大分県 8 10 33 102 215 523
宮崎県 4 30 105 62 158 511
鹿児島県 2 34 59 61 251 744
沖縄県 12 156 131 334 809 1829

第6波は2022年2月の中旬からピークアウトとなりましたが、依然として高止まりが続いています。

現在、主流となっているオミクロン株よりさらに感染力が強く、重症化しやすい可能性がると言われる変異株ステルスオミクロン(BA.2)。

東京都で初めて市中感染が確認されたばかりで、第6波の中、第7波も懸念されています。

今後、オミクロン株からステルスオミクロンへの置き換わりが進む可能性が高く、第7波も視野に入れながら、感染拡大防止策をとっていく必要がありそうです。